1.面接という作業
いったい面接とはどういった作業なのでしょう。企業にとって面接とは何なのかを考えてみたいと思います。
面接での質問はいろいろありますが、全ては次の2点に絞られると考えて下さい。
『活躍してくれる人材』であるかどうか?
『すぐに辞めない人材』であるかどうか?
この2点を確認したいために面接は存在しています。
ここから導き出されるのが、面接で必ず質問される「自己PR」と「志望動機」なのです。
つまりは「自己PR」を聞くことにより『今後当社で活躍している姿を想像できるかどうか』を、「志望動機」を聞くことにより『仕事に対する熱意と覚悟があるかどうか』を確認していくわけです。
2.活躍してくれる人材
バブルの頃の新卒採用というのは、とりあえず入社してもらって研修をたくさんやってできる人間に育てるというものでしたが、バブル崩壊後の新卒採用は意味合いが大きく変貌しています。
会社に入社して即戦力となる人材が欲しいのです。それは無理であって理想でしかないのですが、育成する概念は極端に少なくなっています。
そんな中、面接を行うことによりすぐにでも活躍してくれる、又は少し教えれば自分で目標を立てて遂行していける人材を見極める必要性が高くなっています。
詳しくは後述することになりますが、そのために「自己PR」という質問項目が必須となっているわけです。
3.すぐに辞めない人材
企業にとって新卒採用は大きな投資です。いくら終身雇用が崩れたといっても前提としては長期雇用。入社して3年立たずに辞められてしまえばその間に支払った費用(人件費、福利厚生費)などは全て無駄。赤字になってしまいます。
したがって辞めない人材ということに重点を置いて面接を行うことになります。その裏付けとなる資料をご覧いただきましょう。
ちょっと見にくくてすいません。新卒者が入社して3年間の離職率を推移としてグラフ化したものです。1992年の3年間の離職率は23.7%であったのに対し、2005年には35.9%、実に3人に1人は3年以内に退職しているという現状があります。
当然平均値ですから高い企業と低い企業があるわけですが、推移にしてみると参考にはなるでしょう。また、注意しなければならないのは、厚生労働省が把握している数値であるということ。把握できない会社とは届出等の会社の仕組みがしっかりしていない中小企業が多いでしょうから、本来ならばもっと高い数値なのではないかと推測しています。
ともあれ、企業にとって3年後には20人いて欲しいと思ったら新卒採用としては30人採用しなければならないのです。
これは企業にとって大きな損失です。したがって「志望動機」などから熱意を見て、「辞めない人材」を採用することが重要になってくるわけです。 |