1.大きな疑問
採用担当者としては、採用側の本も読みますが、学生さんの読んでいる就職活動対策本、面接対策本も読みます。
するとどうしても引っかかることがあります。
「この本は、うちの会社の面接では全く役に立たないと思うのに、何故売れているのだろう?」
他社の人事部の人たちとも似たような話をする中で、その答えが見えてきました。それは
「就職対策本は大手企業を受験する人のためにある」
という信じられない答えです。でも良く考えてみると当たり前で、本が売れるためには学生さんに買ってもらわなければなりません。学生さんも大手を志望しないまでも意識する方がほとんどでしょう。したがってどうしても大手企業をターゲットにした本ができあがってしまうわけです。
2.大手有名企業中心である裏づけ
ここまで読んで「本当か?」と思った方も多いでしょう。私も自分でそう思いました。で、ちょっと考えてみました。
個人的なことにはなりますが、私は本を買うときに必ずその著者の経歴を見て買います。小説などでもそうですから全く知らない人事業界の本を買うときも当然著者を良く見て選びました。すると面白いことがわかってしまいました。下記の表をご覧下さい。
本のタイトル |
著者 |
出身校 |
出身企業 |
面接の達人 |
中谷彰宏 |
早稲田大学 |
博報堂 |
面接官の本音 |
辻太一朗 |
京都大学 |
リクルート |
絶対内定 |
坂本章紀 |
早稲田大学 |
東日本電信電話 |
絶対内定 |
杉村太郎 |
慶応大学、ハーバード大学 |
住友商事 |
ロジカル面接術 |
津田久資 |
東京大学、ハーバード大学 |
博報堂 |
オキテ破りの就職活動 |
石井貴士 |
慶応大学 |
信州放送 |
内定がもらえる人 |
斉藤光男 |
早稲田大学 |
Z会 |
劇的内定術 |
坂本直文 |
立教大学 |
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エントリーシート講座 |
福沢恵子 |
早稲田大学 |
朝日新聞 |
内定の達人 |
山近義幸 |
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だんだん何が言いたいかわかってきました?一流の大学を出て一流の企業に入社した人、そしてそんな方が在職中又は独立して会社を興して本を出しているわけです。
失礼な言い方かも知れませんが、スタートラインが違います。もちろん私も含めて。同じレベルの企業を目指すのであればとても参考になる書籍かも知れません。しかし中小企業や無名企業、不人気業界を目指す方にはあまり参考にならないし、もっといえば固定観念が出来上がってしまうのでおすすめしません。
ちなみに、一番下の山近さんは高校を中退してだいぶ苦労された方です。以前講演会を聞いたことがありますが非常に熱がこもった話で、小手先のテクニックを排除した良い内容でした。著書「内定の達人」ではそんな空気がありありと伝わってきます。
3.就職活動に役立つ本
就職活動対策本、面接対策本が役に立たないとすると、参考になるような本はないのでしょうか?
私が考える就職活動対策本は、皆さんにとって意外なものであることが多いです。左のバナーから別サイト「就職活動対策おすすめ本&グッズのご紹介」ページにとべます。そちらでは「話し方」や「考え方」を中心にしたものを推奨しています。
中小企業を目指している方はもちろん、大手有名企業を目指している方にとっても参考になると思いますので、是非ご覧下さい。 |